« ガッカリ対策 | トップページ | わたしだけでしょうか? »

2007年5月27日 (日)

真っ白になった日

僕は、普段から予想外の出来事に対処出来るように
ありとあらゆる局面をシミュレーションしている。

たとえば、クイズ大会に参加し、優勝したときの
コメントはどうすればよいか...
頂点に立った者として、王者の威厳を損なわない程度の
ユーモアとウィットに富んだコメントを残すことが
仮スマとしての義務でもあるはずだ。

意外と早くその瞬間はやってきた。

舞台はとあるイベント会場。月亭八光という
微妙なゲストを迎えてのOXクイズ大会。
優勝賞品はダイソンのサイクロン掃除機だった。
まずは予選としてのOXクイズが10問程度、
ここで10名程度に絞り込まれるシステムだ。
問題の運も手伝って、見事勝ち残ることができた。

舞台の上に上がっての本選は八光も参加しての近似値の問題。
東京タワーと通天閣と太陽の塔の高さの合計値をフリップに記入し、
一番誤差が少ない人が優勝となる。
東京タワーの高さは333mだと言うのは知っていたが、
あとの2つがわからない...
とりあえず、太陽の塔はゾロ目の66mにしておこうと考えついた。
通天閣は倍くらいの高さかなーと思い、130mをフリップに記入した。

答え
東京タワー:約333m
通天閣:約100m
太陽の塔:約70m

結果は僕が一番誤差が少なくて優勝という結果に...
八光は恐ろしいほどに芸能人のオーラが出てなくて
笑いらしい笑いもとれてなかったので、観客のボルテージは
僕の優勝者としてのコメントの瞬間にピークとなった。
「今の気持ちを一言でいうと?」
僕はこ気味良い緊張感と共に司会者に向けられたマイクの前で
少しだけ大きく息を吸った。

言うぞ

言うぞ

いまこそ言うぞ

「掃除機だけに正直嬉しいです!」

完璧なはずだった。
大きい会場ではベタが定石という。
老若男女を問わない駄洒落で八光をも圧倒したはずだった。

ところが、司会者が僕の口が開く前に、
「大きい声でどうぞ!」
と言ったことで、僕のスーパーコンピュータ級の頭脳が狂い出した。

(大きい声で?大きい声?声張ってすべったらどうしよう...)

刹那、真っ白になった頭。
容赦なく向けられたマイク。

「びっくりしました!」

「え?びっくりしました?」
問い返す司会者に僕は小さく頷くのがやっとだった。

5歳になる息子の手を引き、がっくりと肩を落とした小男には
もはやグランドチャンピオンの面影はなく、
矢吹丈と戦った後のホセ・メンドーサのように
変わり果てた姿で小刻みに震えながら舞台を後にした。

 

掃除機の中に吸い込めないものが暮らしにはある。 by 馬場俊英

|

« ガッカリ対策 | トップページ | わたしだけでしょうか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/166008/6572956

この記事へのトラックバック一覧です: 真っ白になった日:

» サイクロン掃除機 といえば [サイクロン掃除機?]
こんなのもありますね。 [続きを読む]

受信: 2007年6月 5日 (火) 12時16分

» 摘されている [ブラック]
上部 は 打開するため [続きを読む]

受信: 2007年6月24日 (日) 07時18分

« ガッカリ対策 | トップページ | わたしだけでしょうか? »